異なった分化段階の B 細胞に対する抑制性 T 細胞の効果
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概要
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蛋白抗原で免疫したマウスの胸腺細胞, 脾細胞をハプテン化した同一蛋白で免疫した動物に移入すると, このハプテンに対する抗体産生が著明に抑制される.この抑制は抗原に特異的で, 胸腺由来のリンパ球 (T細胞) を介して行われることがわかった.この抑制に関与する細胞を抑制性T細胞 (suppressor T細胞) とよび, それによる免疫応答抑制の機序を解析した.その結果, 1) suppressor T細胞による抑制の程度は抑制を受ける抗体産生前駆細胞 (B細胞) の分化の時期により異なる, 2) suppressor T細胞はハプテンに対する高親和性のB細胞の分化増殖を選択的に抑制する, 3) T細胞による抑制の程度は産生される免疫グロブリンのクラス (IgG, IgM, IgE など) によって異なるなどのことがわかった.これらの結果は, 免疫応答統御におけるT細胞の重要な役割を示すものである.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1977-04-30
著者
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