小児気管支喘息の長期予後成績
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概要
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国立相模原病院小児科アレルギー外来において最低2年以上治療を受けた小児気管支喘息患者 524例について, 4-17年後に予後を調査し, 予後に関連する因子について推計学的に検討した. 1) 緩解 205例(39.1%), ほぼ緩解 127例(23.4%), 軽症 105例(20.0%), 中等症 54例(10.3%), 重症 25例(4.8%), 死亡 8例(1.5%)であった. 2) 緩解年令は 7-16才に最も多かった. 3) 性別, 発症年令, 発症から初診までの期間, 家族のアレルギー病歴, 皮膚反応閾値および減感作療法の実施時期と予後の間に有意差は認められなかった. 4) 初診時重症例程, およびアトピー性湿疹の既往, または合併のあるもの程予後不良の傾向を示し, ともに有意差が認められた (P<0.05). 5) 減感作療法に用いた抗原の個数が3個以上の例, および HD または HD+ pollen に陽性のものより HD + mold に陽性の例が予後不良の傾向があり, ともに有意差が認められた (P<0.05). 6) 乳児期に喘鳴様症状をくりかえした62例を5-12年間追及し, 2才前後に明らかな喘息発作を呈したものが nasal smears 検索により陽性群に有意に多く, さらにその予後成績はきわめて良好であった.
- 1977-01-30