胸腺非依存性抗ハプテン抗体産生におけるB細胞の分化と成熟
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概要
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dinitrophenyl 化豚コレラ菌 (DNP-Salm.) に対するマウスの抗 DNP 抗体産生を溶血斑形成法を使つて解析した.X線照射動物への骨髄細胞または抗θ血清処理脾細胞の移入, あるいは新生児期胸腺剔出 (NTx) 等の方法で, IgM, IgG 抗体産生がともに胸腺非依存性であることを証明した.抗原刺激時の抗 DNP 抗体投与は抗体産生を抑制したが, 抗担体抗体は抑制せず, この反応が担体特異性細胞の関与なく DNP 特異B細胞と抗原の反応のみで成立することが示された.抗体のみで前免疫した動物は DNP-Salm.に対し一次反応を示したが, DNP-HGG前免疫動物は二次反応を起こした.さらに NTx 動物でも二次反応が誘導され, 免疫記憶も担体特異性T細胞の関与なく DNP 特異性B細胞のみが担うことがわかつた.免疫動物の脾・胸腺細胞の移入は一次反応を抑制せず, suppressor T細胞の関与もみられない.このまつたくT細胞非依存性の抗体産生では, 免疫後の時間経過にともなう抗体親和性の上昇はみられなかつた.
- 1974-05-30
著者
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