気管支喘息における試験管内ヒスタミン遊離試験に関する研究
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概要
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特異的減感作療法を施行している気管支喘息患者について, 試験管内ヒスタミン遊離試験を行い, 皮内反応陽性閾値, 血清IgE値, 好酸球, 好塩基球数の変動との関係を観察し, 以下の成績を得た.1) 血漿ヒスタミンの日内変動をみると, 健常者と喘息患者では異なるパターンを示している.2) 健常者血液に室内抗原液を添加してもヒスタミン遊離はみられなかったが, 室内塵抗原に感受性を有する喘息患者血液では著明なヒスタミン遊離がみられ, ヒスタミン遊離値と皮内反応陽性閾値とは相関関係があった.3) in vitroでのステロイド剤添加血液ではヒスタミン遊離の抑制はみられず, またステロイド剤内服によるヒスタミン遊離に対する影響もみとめられなかった.4) 減感作療法有効例では治療開始3〜4ヵ月後よりヒスタミン遊離の抑制がみられ, 皮内反応閾値の上昇, 血清 IgE 値の減少がみられた.しかし無効例では皮内反応閾値の上昇はみられたが, ヒスタミン遊離の抑制, 血清IgE値の減少はみられなかった.5) 減感作療法中, 末梢血好塩基球数の変動には一定の傾向はみられないが, 発作の頻発する時期に高値を示した.6) 末梢血好酸球, 好塩基球数, ヒスタミン遊離値とも発作直前に増加を示し, 発作中には減少を示した.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1973-12-30
著者
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