慢性関節リウマチにおける自己抗体産生細胞について
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概要
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慢性関節リウマチ (RA) のリウマチ因子 (Rf) 検出法として用いられている RA テスト陽性の RA および他疾患55例と対照の陰性健常例10例の計65例について, immunocyte adherence 法により末梢血およびリンパ節細胞の自己抗体産生細胞を同定した.陽性細胞はほとんど中-小型の異形リンパ球であり, 正常のリンパ球もわずかに陽性を示した.形質細胞はほとんど陽性を示さなかつた.末梢血中の陽性細胞出現率は, 0-7.4% (平均 2.4%), リンパ節細胞では 2.5-7.5% (平均4.7%) であつた.リンパ球を比重の差によって分画すると小型リンパ球の多い, 重い分画に陽性細胞が多く認められた.慢性の RA では血清の抗体価と陽性率との間には相関は認められなかつたが, 急性期では血清抗体価の上昇に先行して陽性細胞の出現が高率であつた.ヒツジ赤血球に変性 IgG を被覆した PFC の観察では, リンパ節細胞に5-20/10^6の PFC が観察され, それらはいずれもリンパ球であつた.これらの結果から RAと自己抗体産生細胞の意義について考察した.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1973-08-30