ASLO値と各種疾患リンパ球のStreptolysin-O添加培養成績
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
正常人および ASLO 高値の急性腎炎, リュウマチ熱, 溶連菌感染症等の各種疾患について末梢血リンパ球に streptolysin-O を添加培養し, ASLO 値と SLO添加によるリンパ球の幼若化率を比較検討した.その結果は以下のとおりである.1)正常人34人の平均幼若化率は 9.0±6.4% (mean±S.D) であつた.2)ASLO 高値の各種疾患55例の平均幼若化率は 11.2±11.8% (mean±S.D) で正常人との間には統計学的に有意の差はみられなかつた.3)ASLO 高値の各種疾患において ASLO の titre と幼若化率の間にも関係はみられなかつた.4)しかし ASLO 高値の各種疾患のリンパ球を経時的に培養し, ASLO 値と比較すると病初期には ASLO 値は高いが幼若化率は著明に低く, ASLO 値がしだいに低下してくる時期になると幼若化率は急速に上昇し, 溶連菌感染後2-3ヵ月目に最高の幼若化率を示した.5)したがって, 溶連菌感染後1-3ヵ月を経過した者の SLO に対する反応は正常人に比し明らかに高かつた.6)また, ASLO 値が高く長く持続するような症例-溶連菌感染が強かつたと思われるものはその後のリンパ球の幼若化率も一段と高くなる傾向が認められた.7)溶血活性のない SLO および SLO-ASLO complex にも blastgenic activity がみられたので, SLO の blastgenic activity は溶血活性のない部分に存在することが示唆された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1973-07-30