セファロスポリンC抗生物質の免疫学的研究 : 特にCefazolinの免疫学的特性について
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概要
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1. Cefazolinをタンパクと結合させて動物を免疫すると, 赤血球凝集反応, 沈降反応, PCA反応でcefazolin特異抗体を証明した.2. Cefazolinは, benzylpenicillinおよびcephaloridineとの交差性が弱い.一方benzylpenicillinとcephaloridineとの間には強い交差性が認められた.3. 抗benzylpenicilloy1抗体のIgMは, ペニシリンおよびセファロスポリのアシル側鎖に対する反応性が強く, IgGは全分子に対する反応性が強い.4. 抗benzylpenicilloy1抗体に対するペニシリンおよびセファロポリン抗生物質の交差性は, そのアシル側鎖の構造に依存する.5. 試験管内クームス反応の強さは, cephalothin > benzylpenicillin > cephaloridine > cefazolinの順であった.6. 試験管内クームス陽性化は, 抗生物質によって損傷をうけた赤血球膜に直接グロブリンが結合するか, もしくは, 損傷をうけた赤血球膜に結合した抗生物質を介して間接的にグロブリンが結合するためと考えられる.7. クームス陽性の強さは, その抗生物質の直接赤血球溶血作用の強さと相関性がある.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1971-10-30