Yeast Cytochrome с Anaphylaxisに関する研究 : Cytochrom с分解産物のAnaphylaxis阻止作用について
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概要
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高抗原性の酵母cytochrome сをchymotrypsinで消化し, 段階的にpeptide鎖を切断して低分子性のdigested cytochrome сを作り, それ自体では感作原性は持たないが, 脱感作性は有する化合物を得ることにより, アレルギー反応抑制の可能性をモルモットを試験動物として, in vitro, in vivoの脱感作処置により, 有望な以下の成績を得た.1) Digested cytochrome сの感作原性は, 消化2時間以内では残存し, 3時間以後では著明に減少し, 15時間以後では完全に消失した.2) In vitro, in vivoにおける脱感作実験では, intact cytochrome с感作モルを使用し, digested cytochrome сによる脱感作能力を検じた結果, in vitroのSchultz-Dale反応およびin vivoのアナフィラキシー反応によっても, 3時間および9時間のdigested cytochrome сで脱感作が成立し, 脱感作後のintact cytochrome с惹起でアナフィラキシー阻止効果を示した.3) 3時間および9時間のdigested cytochrome сを I^<131>標識growth hormoneおよびinsulinを示標とし, Sephadex G-50にてcolumn chromatographyにかけると, その主分画は分子量25,000以上の未消化混入cytochrome с分画と分子量6,000前後の消化途上のdigested cytochrome с分画と推定され, これら分画抗原によっても, undigested cytochrome сによるアナフィラキシーを阻止し得た.分解低分子化により, 高分子cytochrome сによる感作状態を脱感作し得る化合物の得られたことは確かと考える.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1971-10-30
著者
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