小児気管支喘息の寛解後の再発率と関連要因の検討
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概要
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小児喘息の寛解後再発率と再発に関連する要因を検討するため, 質問票による調査をおこない, 生命表法により再発率を算出した. 回答者450例中281例が寛解し, そのうち31例で再発がみられた. 再発例の平均寛解年齢は15.1±3.6歳, 罹患年数は11.7±4.3年で, 寛解継続例(それぞれ12.9±4.1歳, 9.6±4.5年)より高かった. 平均再発年齢は20.8±4.2歳, 平均寛解期間は5.8±2.9年であった. 再発は寛解後10年以内に多く, 寛解後14年以降はみられず, 再発率は13.5%であった. 女性(24.9%), 初診時重症(22.4%), 中等症(23.1%), ステロイド使用歴あリ(25.1%), 血清総 IgE 値500IU/ml 以上(19.7%), 寛解年齢13歳以上(21.2%)では再発率が高かった. 家族歴, 発症年齢, 皮膚テスト陽性抗原の種類などは関連を認めなかった. また再発群の再発時の環境は, 集合住宅, 鉄筋でアルミサッシ窓, 寝室でのジュータン使用, ペット飼育, 母および本人の喫煙が多かった. これらの要因を持つ症例では再発を考慮した指導が必要であり, 寛解後の環境整備も重要であると考えられた.
- 1999-04-30
著者
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