気管支喘息患者リンパ球に対するデキサメサゾンのアポトーシス誘導
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
副腎皮質ステロイド薬はアレルギー性炎症の治療薬として有用であるがその効果発現のメカニズムについては, 不明の点が多い. 今回, 気管支喘息患者Tリンパ球にデキサメサゾンがアポトーシスを誘導するかどうかを検討した. デキサメサゾンは10^<-4>M, 10^<-5>Mで気管支喘息患者末梢血リンパ球に正常人と比較して, 有意に強くアポートシスを誘導した(ρ<0.05). アポトーシスの誘導はフローサイトメトリー, DNAの断片化で確認された. T細胞をサブセットに細分画した検討から, このアポトーシスの亢進はCD4+HLADR+CD25+細胞に由来することが明らかになった. T細胞からHLADR+CD25+細胞を除去するとIL-5産生およびダニ抗原刺激に対する3日目の増殖反応が著明に低下することから, アポトーシスが誘導されるサブセットはダニ抗原によりプライミングを受けていることが示唆された. 以上より, デキサメサゾンにより気管支喘息患者T細胞にアポトーシスを誘導できることが, 治療効果発現の一つのメカニズムとなることが示唆された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1999-01-30
著者
関連論文
- 318 アレルゲン特異的T細胞のアポトーシス
- II.治療法の進歩 2.非ステロイド性抗炎症薬
- 247 アレルゲン量による抗原特異的T細胞の反応性の制御
- 気管支喘息患者リンパ球に対するデキサメサゾンのアポトーシス誘導