(その2)摩擦面の温度上昇に就て : 日本学術振興會第42小委員會における軸受の研究 : 材料、材料力学、弾性学
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概要
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摩擦面の温度が摩擦金属自体の平均温度に較べて遥かに高い値を示すだらうといふことは容易に推定されるのであるが、最近に到って潤滑作用が、麿汎な意味における一つの冷却作用と理解されるに及んで、この表面温度の特性に関する問題が愈よ大きな意味を加えてきた様に思ふ。それは冷却といふ言葉の内容が2様の意味をもつからである。即ち一つは発生熱量を出来るだけ大量に奪ふといふことで、他の一つは摩擦面の温度を出来るだけ低下させるといふことである。そしてこの冷却の結局の目的が後着にあることは無論で、ここにの問題の実用即な意味が存在する。この問題は既にバウデン等によって、特に乾燥面に関してその研究の結果が発表されてゐるのであるが、その結果に対して、.とかくの論もある様であり、筆者も潤滑摩擦面の冷却の問題に関聯して同様な実験を潤揖及び非潤滑面に就て行ったので、その結果の大要を報告する。
- 1944-10-31