文章完成法による医療系短期大学生の自我発達測定(第2報) : 総合臨床実習前後の自我発達比較

概要

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目的 : 第1報で我々が作成した文章完成法自我発達検査を用いて, 自我発達段階の評定結果を性別や年齢による違いから分析し, さらに総合臨床実習が自我発達に及ぼす影響を検討した。方法 : 医療系短期大学理学療法学科の男女136名を対象に, 3年次在学時の総合臨床実習前と終了後に検査を実施し, 被験者を青年期と成人前期に分類して結果を分析した。結果と考察 : 総合臨床実習前後の自我発達段階に有意差はなかったが, 各質問項目に対する回答に変化が見られた。実習後の回答の変化を, 因子分析による第1〜3因子の特徴から分析すると, 他者の立場を理解でき, 慈愛心や良心が形成され, 自己充実感も得られるように変化し, 実習は自我発達に概ねプラスに作用していた。しかし, 学生自身の学力不足や消極的態度, 孤立, 自信のなさ, 臨床実習指導者との好ましくない人間関係などが原因で, 実習に充実感を持てず, 実習が自我発達にマイナスに作用した者もみられた。
日本保健科学学会の論文
2000-12-25