幼児の問題行動が母親の育児負担感におよぼす影響
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概要
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埼玉県M市の公立保育所全14箇所に在籍する月齢17〜77か月の一人っ子の児168名とその母親(平均年齢31.02歳)を対象として, 児の問題行動が母親の育児負担感(ストレイン)におよぼす影響を検討した。児の問題行動は「易興奮性」, 「多動」, 「無気力」の領域に属する, 計10項目について, クラス担任の保育士によって評価された。母親の育児負担感は「育児に伴う社会的活動制限の認知」および「児に対する否定的感情の認知」の下位尺度から構成される育児負担感尺度を用いて測定された。統計的解析の結果, 児の問題行動は母親の育児負担感に影響を与えるものの, その影響は育児負担感のなかでも, とくに「児に対する否定的感情の認知」に限られることが明らかにされた。さらに, 児の問題行動の内容との関連では, とくに"externalizing"な問題行動の発現が母親の育児負担感を高めることが示唆された。
- 日本保健科学学会の論文
- 2000-09-25