高速液体クロマトグラフィー法を用いた, ラット脳内フォスフォジエステラーゼIV型活性の測定
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概要
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c-AMP(3', 5'-cyclic adenosine monophosphate)は神経細胞内信号伝達系のセカンドメッセンジャーとして重要な働きを担っている。ショウジョウバエ(Drosophila Melanogaster)の突然変異体であるdunce(dnc)遺伝子欠損(dnc-)では学習障害を有し, 嫌悪刺激からの回避が不能となる。このdnc遺伝子はc-AMPを分解するphosphodiesterase(PDE)の塩基配列を有し, 哺乳類におけるphosphodiesterase type IV(PDE IV)に相当する。本研究では, ラットPDE IV活性測定の基礎実験を行い, 続いて, 抗うつ薬長期投与あるいは電気ショック処置によるラット脳内PDE IV酵素活性の変化を測定した。これらの処置によって, 前頭領域でPDE IV酵素活性の亢進が認められた。これはc-AMP量増加によるフィードバック機構が誘引されたものと思われる。
- 1999-06-25