抗折試驗に依り鋳鉄の引張強さを求める新しい公式
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概要
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従耒は抗折試驗の結果鋳鉄の強弱を破断係数に依つて比較してゐたが、破断係数は便宜上の数値で何等理論的の根據なきのみならず、試驗片の支点距離の如何がその値に影響することから云つても、これを強弱を判断する目安とするのは適當でないと考へる。故に著者は抗折試驗から直ちに引張強さを求むることが出耒ればこれを以て材料強弱の目安にするを可なりと信じ、その実驗式に就て研究したのが本論文である。公式を定める前提として著者は2種の材料に就き、断面積を異にする正方形試驗片を種々なる支点距離に於て試驗し、鋳鉄の抗折試驗には略完全に相似の法則が成立することを確めた。この法則に基き著者自身及び山田福治君の実驗結果によりP=(374+1.29ƒ_t)/l^<1.06>・a^3なる実驗式を定めた。但し本式は稍計算複雑なる故使用に便利なるやう共線図表に表はした。而して種々なる支点距離に於て行はれた諸研究結果に対しBachの古くより知られたる公式と比較し本式との優劣を論じた。猶鋳鉄の抗折試驗結果の喰違ひの程度をも考究した。
- 一般社団法人日本機械学会の論文
- 1936-11-00