高速度鋼の新處理法に就て
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概要
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従耒より高速度鋼の熱處理方法は、一般に固溶態より固溶態への変化に於て色々に研究されてゐるが、本文に於ては鋼の熔融状態から固溶態への変化に於て得たる研究結果に就て記述する。即ち原子水素弧熔接機を利用して、普通炭素鋼の表面に高速度鋼を直接盛金し、その儘空中放冷の上研磨成形すれば、従耒の如き至難な燒入並に燒戻等の熱處理作業を必要とせず、所定以上の硬度と強靱性を保ち得るのであつて、同材質の高速度鋼を適當に熱處理したるものよりも却つて切削能力高く、且工具の製作費に於ても非常な利益を得る。従つて高級な高速度鋼を作業容易に而も経濟的に利用出耒るのである。尚本處理法をタングステン・カーバイド系合金等の超高速刄物にも適用できる。
- 1936-05-01