松永式ばね板自動燒入装置に就て
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概要
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ばね板の燒入は一般に燒入液として種油を使用した2段操作燒入法(以下從來焼入法と稱す)が採用されてゐるが、この燒入法は以下細説する如く製品の品質統一上に不尠る不便があり且又經濟上に或は作業能率上に於ても改良研究すべき幾多の分野が殘されてゐる。依つて因襲的な從來の燒入法に對し可及的に生産能率を向上せしめ、品質に就ても改良統一を計るため燒入液として古礦油を使用する1段操作燒入法を採用し且燒入燒戻の熱處理を自動的に行ふ松永式ばね板自動燒入装置(以下本燒入法と稱す)を發明した。茲に本燒入装置に就て構造操作及び使用方法等の概略に就て説明した後、兩燒入法に依つて製作したばね板の各材質試驗成績及び彈機に就ての荷重、耐久、兩試驗成績等を比較して本自動式1段操作燒入法の性能及び燒入液として古礦油の使用可否に就て論及し併て兩燒入法に依る燒入油の消費價格や作業能率等を比較して本燒入法の經濟的價値を求めた。その結果本燒入法に於ては價格極めて低廉な古礦油を使用する他尚1段燒入及び自動操作に依つて作業能率も著しく増進し經濟上利する所甚大であるのみならず熱處理作業が自動的に行はれるため常に品質の統一された優秀な製品が得られる事が判明した。