ウズマキゴカイ類の保育習性の起源とカンザシゴカイ科およびケヤリ科の系統関係について
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概要
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ウズマキゴカイの仲間は鰓蓋や棲管の中で幼生を保育する.THORP(1975)はウズマキゴカイ類の保育習性の進化してきた過程を類推し,鰓蓋中で保育するウズマキゴカイ類の起源を球形の鰓蓋をもつApomatus様のカンザシゴカイ類にもとめた.Rhodopsis pusillaの鰓蓋はおわん状で,棲管上に石灰質の保育嚢を作り,その中で幼生を保育する.このR.pusillaがTHORPの考えたウズマキゴカイ科とカンザシゴカイ科を結ぶミッシングリンクだと思われる.Salmacina属の環虫は棲管中で幼生を保育する.この仲間が棲管内で幼生を保育するウズマキゴカイ類の起源であろう.
- 日本動物分類学会の論文
- 1993-07-25