電気泳動法からみたウニ類2種,サンショウウニとキタサンショウウニの分類学的関係について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
形態学上極めて類似したサンショウウニ属の2種,サンショウウニTemnopleurus toreumaticusとキタサンショウウニT. hardwickiiの系統類縁関係をより明確にするため,各種酵素の電気泳動パターンを比較検討した.その結果,2種は6酵素15遺伝子座の内,5遺伝子座において遺伝的組成がまったく異なることが明らかになった.またNEI(1972)の遺伝的類似度としてI=0.667が得られたが,この値は近縁関係にある同属別種開の値として極めて妥当なものである.以上の結果は,これら2種が同一種であるとしたIVES(1891)ならびにTOKUNAGA(1903)の説およびキタサンショウウニをヒメウニ属(Temnotrema)に入れるべきとしたLAMBERT and JEANNET (1935)の見解を否定するものであり,従来から広く受け入れられていた同属近縁別種の考えを強く支持するものである.
- 日本動物分類学会の論文
- 1984-12-25
著者
関連論文
- ムラサキウニにおけるタンパク多型現象
- Genetic Variation and Differentiation in Patinopecten yessoensis and Chlamys farreri nipponensis (Bivalvia;Pectinidae) Inferred from Allozyme Marker
- Electorophoretic Evidence for the Presence of Hexose 6-Phosphate Dehydrogenase in Sea-Urchins
- 電気泳動法からみたウニ類2種,サンショウウニとキタサンショウウニの分類学的関係について