DOCA処置ラットの血圧及び交感神経に対するクロライドの影響
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概要
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食塩依存性高血庄において,Clイオンの高血圧発症及び維持にはたす役割を検討した。6週齢の雄Wistarラットを片腎摘出後3群に分け,対照群(C群)には0.25%NaCl含有食,食塩負荷群(NaCl群)には3.75%NaCl含有食,Cl単独負荷群(AACl群)には0.25%Na3.75% Cl含有食を与え,各週の始めにDOCA(50mg/kg) を皮下注して4週間飼育した。NaCl群の収縮期血圧は,C群およびAACl群に比し有意に高値を示し,AACI群の収縮期血圧はC群に比して有意に高値を示した。赤血球Na濃度は,NaCl群において,他の2群に比し有意に高値であった。AACl群における細胞外液量は,C群ならびにNaCl群に比して有意に低値であった。体内総Na量は,NaCl群において,C群およびAADl群に比して有意に高値を示した。NaCl群及びAACl群共に,尿中ノルエピネフリン排出量はC群に比して有意に高値を示し,心筋ノルエピネフリン含量は有意に低値であった。また,尿中ノルエピネプリン排池量および心筋ノルエピネプリン含量と収縮期血圧との間にそれぞれ有意な相関を認めた。これらの結果は,食塩依存性高血圧においてNaイオンの細胞内外への貯留が高血圧の発症および維持に重要であるが,同時にClイオンを介する交感神経活性の亢進も一部役割を果たしている事を示唆していると考えられる。
- 神戸大学の論文
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