1973年及び1980年の調査から見た高校生の性意識について
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概要
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The present study was intended to see the change in sex consciousness of senior high school pupils at the time of 1973 and 1980. The date were obtained by means of questionnaires which were given to the pupils at each year. The questionnaires were prepered with the following six heads which included several subdivided items: (1) companionship with opposite sex, (2) consciousness on sexual love, (3) concept on matrimony, (4) opinion on equal right for man and woman, (5) sex knowledge and its source of information, (6) opinion on sex and its related matters.大阪府下4校に在学中の高校2年生の性及びそれに関連した意識内容を知るために,質問紙法によって調査を行った。対象人数は,1973年で2校280名,1980年で4校857名であった。多数の調査項目を用意したが,本論文でとりあげたのは,そのうち(1)異性との交際,(2)性愛意識,(3)結婚観,(4)男女平等観,(5)性知識とその情報源,(6)性に関する意識,(7)性道徳の7項目であった。これらの結果を見ると,全体的傾向は,両年とも大差なかった。年による明白な差があったのは,(2)に関連して,異性を意識した年令が男女とも1980年では1973年より若くなっていたこと,また(4)について,男性上位感は強くはあるが,両性は平等であるとするものが多くなっていたことであった。一方,(5)との関連で高校生の性知識の相当部分は学校や家庭など責任ある情報源から取得されているのではなく,性の局部的刺激と商品化されたマスコミから得ていることが明らかであった。このようなことから,性,結婚,性道徳などについて考えるための正しい基礎的知識が十分でなく,今後の学校教育における配慮の必要性が指摘された。
- 1983-02-28