光弾性定数とガラス構造との関連性
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概要
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石英ガラス, 5Na2O・95GeO2ガラス, Ca(PO3)2ガラス, ソーダ石灰ガラス及びパイレックスガラスの光弾性定数 (以下Bと略す) を測定した. 石英ガラスのBがソーダ石灰ガラスのBの1.33倍であることはWeyl説では説明できない. 石英ガラスでは主としてSiO44面体の6員環からなり, 環内には透き間がある. この構造への, 圧縮において共有する角頂の結合角が変化する変形によって透き間を埋める変形が起こり, これが8を正で大きくしているとして, Bへの寄与に対する新しい機構を提案した. GeO2, 5Na2O・95GeO2ガラスも同様である. ホウ酸塩ガラス, ホウケイ酸ガラスではtetraborate群及びdiborate群の透き間のある構造があって, 圧縮によってこれらめ群の透き間を埋める変形が生じてBが正で大きくなるのである. Ca(PO3)2ガラスやソーダ石灰ガラスでは新機構によるBへの寄与が消失しているかほとんど消失しているためにBが小さいのである. すなわち, Weyl説によるイオンの分極率の変化によるBへの寄与以外に, 透き間のある “群” の透き間を埋める変形によるBへの寄与のあるガラスがガラスの中には相当数あると結論した.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1979-11-01