人工軽量骨材を用いた建築物の実例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
人工軽量骨材を用いたコンクリートは, 現在, 骨材の価額が非常に高いので, これを用いた建物の躯体工事費は, いかに軽量化を図っても普通コンクリートを用いた場合に比べて割高になる。しかし, わが国の大都会の大部分の地域のように地盤が非常に悪く, くいその他の基礎支持のための工事費が比較的大きい場合には, 建物重量の軽減が工事費に及ぼす影響が大きいので, 高価な人工骨材軽量コンクリートを用いて, 充分なメリットの生ずる場合が多い.例1は, 地盤の地耐力がちょうど建物の重量に近いもので, 躯体の軽量化によって基礎くいを省略することが可能となったもので, また例2は, 地盤がきわめて軟弱で, くいの費用が建物躯体工事費の50%以上にも達するもので, 軽量化による工事費減少の非常に大きい例である.人工軽量骨材は, この2例のように, 構造強度を減ずることなく, 建物の重量を減少させたい場合に非常に有効であると考えられる.
- 社団法人日本材料学会の論文
- 1966-10-15