粒子の付着,凝集と粉体の充てん
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
粉体粒子の付着、凝集の程度を知るためにいくつかの方法が試みられているが、その中で粉体充てん層のせん断応力と荷重の関係からクローン式により粒子間凝集力を測定する方法を試みた。この方法で得られる凝集力はせん断面あたりの力であるが、これに充てん層の空隙率、試料粒子の平均粒子径、粒子1個に対する隣接粒子の平均接触点数を考慮すれば粒子接触点1個の凝集力を計算することができる。粒度の異なった数種のホワイトアランダムを試料としてこの方法で粒子径と粒子間凝集力の関係を調べた。その結果、この試料では脂肪酸処理による粒子の表面の疎水化の効果はほとんど認められない。また、粒子径が小さくなるほど凝集力も減少するが、その力は吸着層を伴ったvan der Waals力の範囲である。しかし、van der Waals力による凝集力は粒子径に比例するといわれるが、この実験では微粒子では粒子径が1/10になると凝集力が1/100程度になった。これは、充てん層のせん断面あたりの凝集力を粒子接触点1個あたりに換算するときに用いたRumpfの仮定に誤りがあると考え、実験結果から逆に補正をすると高空隙率充てんの微粉体では粒子1個の平均接触点数が約2.3となり、微粒子の凝集は珠数状の連りで、かさ高い網状構造を形成していることが推定される。
- 社団法人日本材料学会の論文
- 1967-05-15
著者
関連論文
- 粒度測定における粒子形状の効果
- 高粘性分散媒を用いた比重てんびん法による粒度分析
- 粉体粒子の水による凝集 : 粉体-水-油系の流動性
- 粒子間相互作用力の直接測定 : (粉体小特集)
- 水面粒子膜法による粒度測定
- 粉体の流動性について : 測定法と粉体特性
- 同-液混合系の流動性に対する充てん構造と粒子間力の影響
- 粉体粒子の凝集性に対する湿度の影響
- 粒度分布をもつ球形粒子群のランダム充てんにおける空隙率と粒子接触数
- 粉体の吸湿性と凝集性に対する粒子の表面状態の影響
- 振動粉体層に対する微粉体の通過特性
- 液体中における粉体の安息角
- 粉体の充てん構造と安息角
- 粉体の付着・凝集性に対する温度の影響
- 5. カオリナイトおよびタルクの摩砕処理と合成ゴム配合物の性質
- 粒子径の異なる微粉体の混合における空隙率の変化
- 沈降法による粒度分布の新しい自動記録装置
- 直線的一辺を有する薄片状結晶の電子顯微鏡像
- 新しい遠心沈降式粒度分布測定装置(粉体小特集)
- 薄片状粒子の各種測定法による粒度分布の比較(粉体小特集)
- 大正のナノテクノロジーと昭和のキャラクタリゼーション : 炭酸カルシウムナノ粒子の生成
- 粉体の基礎特性と成形技術(粉体小特集)
- 振動粉体の流動挙動と粒子特性(粉体小特集)
- "セラミックスを知る辞典", 作花済夫(著), 1982年, (株)アグネ発刊, 180mm×125mm, 387ページ, 2300円
- 加熱状態での粉体粒子の付着・凝集力と流動性(粉体小特集)
- 粉体の充てん構造と破断強度(粉体小特集)
- "メカノケミストリー概論(第2版)", 久保輝一郎(著), (1978年11月, (株)東京化学同人発刊, A5判, 248頁, \2,000)
- 粉体の動特性と粒子特性
- 粉粒体工学, 三輪茂雄著, A5判変形, 398頁, 3 200円, 1972年, 朝倉書店発行
- 1・2標準粉体
- 粉体の粒度と充填性
- 粉体の粒度測定とその意義
- ガスクロマトグラフィ用各種担体の製法の表面積に及ぼす影響
- ハードクレーのゴム補強機構
- 充填剤配合ゴムの赤外線吸収スペクトルによる同定
- 無機充填剤の赤外線吸収スペクトル
- 電子顕微鏡でみた補強性充填剤
- 電子顯微鏡によるゴム用充填剤の研究 : (第1報) 各種無機充填剤の大きさ及び形状
- 電子顯微鏡によるゴム用充填劑の研究 : (第2報) 加硫ゴム中に於ける各種充填剤の状態
- 粉体粒度の沈降分析
- 粉体の動的構造と流動性 (粉体(特集))
- 二, 三の有機ベントナイトの構造 : 粘土-有機複合体の特性と利用特集号 -第13回粘土科学討論会シンポジウム
- 粉体材料の基礎的性質の測定(IV)(粉体批評面積の測定)
- 粉体材料の基礎的性質の測定(III)(粉体粒度の測定)
- 坏土の押出し抵抗と粉体物性
- 振動状態における粉体の流動性 (粉体(特集))
- 粒子の付着,凝集と粉体の充てん
- 粒子の表面状態と粉体の凝集性 (粉体(特集))
- 粉子特性と充てん性
- 粒子の凝集に対する水分の影響 (粉体(特集))