3. 減水材およびAE減水材 : コンクリート混和材の化学
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概要
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減水剤・AE減水剤とは, その字が示すようにコンクリートに混合することによって所要のスランプを得るための単位水量を減少させたり, ワーカビリチー, 強度, 水密性, 耐久性などを向上するために用いる混和剤の総称である. 減水剤・AE剤水剤を歴史的にみると, コンクリートの分野において画期的な材料として, 混和剤の利用が開発された1930年代の初めにさかのぼる. 当時, E.C. Scripture はパルプ廃液より抽出したリグニンスルホン酸カルシウムがセメント粒子に対して強力な分散作用を示すことを見出し, これをコンクリート混合のときに用いるとワーカビリチー, 強度, 耐久性が著しく向上し, さらにコンクリート中に空気を連行することを確かめ, 1932年, アメリカにおいて特許が申請された. このコンクリート用混和剤が今日セメント分散剤あるいはAE減水剤と称される剤で, その後コンクリート用化学混和剤を称される多くの剤が開発されてきた. この種の混和剤は米国ではWater reducing admixture の名称が定着し, わが国でも一般的に減水剤と呼ばれるようになった. わが国で, セメント分散剤 (AE減水剤) が製造・市販されたのは1952年 (昭和27年) のことで, その間にセメント分散剤の特性および使用方法について種々研究が行われた. AE減水剤がわが国の大規模なコンクリート工事に使用された事例は, 昭和29年に完成した東北電力上田・本名ダムが最初で, その後北陸電力有峯ダム, 関西電力黒四ダム, 名神高速道路, 東海道新幹線等に前面使用されている. さらにレデーミクストコンクリートの普及により一般の土木・建築工事に逐次使用されるようになり今日ではコンクリート用材料としてセメント・骨材・水につぐ第4成分として, 不可欠の構成要素となっている.
- 1985-02-15
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