バイオエシックスと未来文明 : グローバルな合意を求めて(第12回日本生命倫理学会年次大会報告)
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概要
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1970年代からわたくしが提唱し構築してきたバイオエシックスの背景には、ベトナム戦争下の枯葉作戦に象徴されるような、世界的スケールでの広範にわたる生態系と環境の破壊、人間破壊、遺伝子の破壊などがあった。「バイオエシックス」は全体として一つにまとまりを持った「いのち」に関わるあらゆる価値観と判断の問題を、伝統的な学問の枠組、即ち倫理学、医学、看護、宗教、法学、政治、経済、公共政策、哲学、歴史、教育など旧来の学問的専門分野の枠組みを超えた全く新しい「超学際的」な発想によりグローバルなスケールで把握し直し、その内容を学問的に体系化すべきだと私は提唱してきた。これらをふまえて、未来文明における合意形成への具体的な手がかりを考察する場合「1997年ニュールンベルグ綱領」と「未来世代の世界人権宣言」の内容は注目に値する。国際的合意の形成はさまざまな事例が示すような「超学際的」イマジネーションの共有と対話による相互チャレンジの中から、そして何よりも「不正な構造」への戦いの中から生まれ育ち行くからなのである。
- 2001-09-17
著者
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