エホバの証人と無輸血治療の選択 : 生命倫理のケース・スタディとして考察する
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
医療の選択の際には, 相手の立場に立って考えることが不可欠である。しかし, 治療の選択にあたって, 患者の自己決定権に基づく判断と医師としての理念が衝突することもある。価値衝突を防ぐことはできるのか。患者の持つ自由はどこまで尊重されるのか。学会や大学の授業でエホバの証人に投げかけられる疑問は, 価値衝突やインフォームド・コンセント(IC)の限界に関連するものである。これらの答えを得るには, 医学知識に加え, 医療倫理が重要な意味を持つ。そこで私たちは, 医療関係者や法律家たちにエホバの証人に関する, 正確な情報提供をすることに取り組んできた。その一つとして, 大学の医学生の授業に招かれ, 講義の一部に加わった。1)倫理観, 2)法的側面, 3)医療の選択という観点からエホバの証人の立場を説明した。授業は, エホバの証人に対する理解を深め対立を回避するのに役立つものとなった。本稿では, 未成年者への対応に関して, 考察を加えている。エホバの証人の信念の根底にある考えを披瀝し, これをケース・スタディーとして生命倫理やICについて考察する。
- 2001-09-17
著者
-
早崎 史朗
ものみの塔聖書冊子協会ホスピタル・インフォメーション・サービス
-
早崎 史朗
ものみの塔聖書冊子協会 エホバの証人のホスピタル・インフォメーション・サービス
-
仁科 健夫
エホバの証人の医療機関連絡委員会吹田委員会
-
中井 猛之
エホバの証人の医療機関連絡委員会
-
中井 猛之
エホバの証人の東京医療機関連絡委員会
-
仁科 健夫
エホバの証人の吹田医療機関連絡委員会
関連論文
- エホバの証人と自己血輸血
- エホバの証人と無輸血治療の選択 : 生命倫理のケース・スタディとして考察する
- エホバの証人から見た自己血輸血の意義
- 生命倫理における宗教的輸血拒否
- 無断輸血事件最高裁判決から見た医師と患者のあるべき姿
- 輸血拒否患者への医療機関の対応