遺伝子解析の生命倫理
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ヒトゲノム解析が国際的な共同研究として始まってから約10年が経過し、このほど、その基本的な解析が終了したと宣言された。これからは、一人一人の遺伝子情報が医療に結びついた「オーダーメード」医療の時代に入ると予測されている。一方で、治療できない遺伝的な病気の情報を前もって知ることには何の利益もないし、不安感をあおるだけで非倫理的であるとの批判がある。またある人の遺伝情報は、その人のすべての血縁者に共有されるべきかについては、意見が分かれている。遺伝子解析にともなうそのような倫理的問題に対処するために、1992年から、ヒトゲノム解析国際倫理委員会が設置され、筆者も参加して、いくつかの提言や声明を発表し、国際的な指針を示している。生命倫理の原則は世界共通であるべきだが、日本あるいはアジア特有の問題があることにも留意しなければならない。
- 日本生命倫理学会の論文
- 2000-09-13
著者
関連論文
- インターネットにおけるダウン症データライブラリの運営と展開
- 座談会 遺伝子診断と倫理 (特集=遺伝子診断と倫理)
- 遺伝子多型研究と生命倫理
- 中日ドラゴンズファンから反骨へ
- 書評「低線量放射線の健康影響」, 近藤宗平著, 近畿大学出版局発行,紀伊國屋書店発売,2005年9月, 250ページ,サイズ:21×15cm, ISBN: 487738233X
- ヒトゲノム解析に求められる倫理的な配慮 (特集=遺伝子診断と倫理)
- 医師および医療関係者への遺伝教育 (特集 ゲノム時代の遺伝教育)
- 1.遺伝子診断と治療の倫理(PS 3 脳神経外科における的確な遺伝子診断と治療)
- 放射線の遺伝的影響
- 社会と倫理 (ゲノムサイエンスの新たなる挑戦) -- (第4部 ゲノム科学をめぐる内外の動向)
- がん研究--化学発がんから遺伝子研究へ (シリーズ:検証・20世紀の生物科学)
- 遺伝子診断--社会と倫理,法律,および国際的動向 (〔2001年〕6月第5土曜特集 予防医学のミレニアム--遺伝子診断の動向とそれに伴う問題点) -- (ミレニアム医学の倫理)
- 遺伝的多様性をどう理解するか : 遺伝子診断・検査に望む
- ヒトゲノム解析組織(HUGO)倫理委員会 : 利益の共有に関する声明
- 遺伝子解析の生命倫理
- 東海村臨界事故の人体影響不必要な恐怖感と不適切な健康診断への批判
- 東海村臨界事故の人体影響 : 不必要な恐怖感と不適切な健康診断への批判(中井洋太教授退職記念特別号)
- 出生前診断に関する倫理的問題と小児科医への期待
- ゲノムと倫理 ヒトゲノム解析に伴う倫理的問題 (特集 ゲノム医学の現在と未来--基礎と臨床)
- ヒト遺伝子情報の特許と倫理 (特集 ヒトゲノムからみた新しい生命観・人間観)
- Lecture 医学生,研修医のための遺伝学入門講座(シリーズ6最終回)ヒトゲノム解析をめぐる最近の動き
- ゲノム研究と社会との接点 (特集 ゲノム研究から見た21世紀の生命科学)
- Lecture 医学生,研修医のための遺伝学入門講座 シリーズ2 21世紀のヒト遺伝学 人類遺伝学からヒト遺伝学へ--そして人間学へ(後)
- 医学生,研修医のための遺伝学入門講座(1)21世紀のヒト遺伝学--人類遺伝学からヒト遺伝学へ--そして人間学へ(前)
- ベンゼン代謝生成物パラベンゾキノンによる突然変異の解析
- P-81 ベンゼン代謝生成物ムコンアルデヒドによる突然変異の解析
- ヒト遺伝子解析の倫理 (特集 ヒトの遺伝子--ゲノム計画と21世紀の遺伝子研究)