美術科教育における鑑賞とメディアの特性
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概要
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[はじめに] : 今日の社会が情報化社会であると言われて久しく、現在の学校教育について論じる場合も身の周りを取り巻くメディアの影響を考慮しないわけにはいかないであろう。情報化がますます進行していく社会の中で、子どもたちの日常生活にもすでにさまざまなメディアがしんとうしていることは間違いないように思われる。 そこで、今日におけるメディアの種類と特性を明らかにするとともに、それらが子どもたちにどのように影響を与えているか、さらにはどのように利用し、生かしていくべきかを考える必要があると思われる。そのようなメディア教育の在り方は、すべての教科で、その教科の特性を生かして考えられるべきであると思われるが、美術教育においても、早急に、そしてまた、独自の対応がなされる必要があるだろう。 美術科教育の教育内容は表現と鑑賞の2つの領域に分かれている。私たちをとりまく諸種のメディアは表現手段と鑑賞対象の両方に渡って関わりを持っている。しかし学校教育としての美術科では被教育者は各人の長い人生と美術教育との係わりから考えると、その多くが学校教育を終えた時点で製作者としてよりも鑑賞者としての立場になる。そのような美術科教育の状況から判断して、本稿ではメディアの特性と美術科教育の鑑賞との関連を考察するものである。
- 山口大学の論文