胎児付属物とくに人臍帯における神経分布
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概要
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一般に神経が存在しないとされている胎盤や臍帯の血管が, 生理学的実験では種々の薬剤や条件に反応して収縮・拡張し得ることが知られている.著者はこの現象を説明する目的で, 瀬戸鍍銀法を用い, 人臍帯の神経線維の存在の有無について検討し, 次の結果を得た.1)本染色法によつて人臍帯に神経の存在することを認めた.この神経は主にWharton膠様質内に神経束として存在し, この神経線維束から細線維が分岐し, 一部のものは終網構造や血管壁に接する線維を形成する.2)これらの神経は無髄神経でその形態から植物神経に属するものと考えられる.3)本研究で認められた神経は臍帯の全長にわたつては存在せず, 胎児側1/3から1/4の範囲に限局されており, このことからこの神経は胎児体内から臍輪を通つて臍帯内に進入して来たものと考えられる.4)胎盤内には神経は発見されなかつた.
- 1970-03-01
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