Non-apoptoticプログラム細胞死:アポトーシスとは形態・制御機構を異にするプログラム細胞死の存在と意義について
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概要
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多細胞生物体の細胞は「自殺」のための遺伝子プログラムを内臓している。このようなプログラムの活性化によって引きおこされる細胞の自殺は個体の正常な形成や恒常性維持、逆の見方をすれば疾患の予防、において重要な役割を果たしている。ごく最近までプログラム細胞死は事実上アポトーシスと同義語のように用いられてきたが、近年になってアポトーシスとは形態も制御機構も異な(non-apoptotic)プログラム細胞死の存在が明らかになり、プログラム細胞死には多様性があることがわかってきたさらに、このようなnon-apoptotic プログラム細胞死が神経変性疾患やがん等の疾患に深く関わっていることも示唆されている。本総説では non-apoptotic プログラム細胞死に関するこれまでの知見を紹介しつつ、プログラム細胞死が関与する疾患の研究において「プログラム細胞死の多様性」を認識することが如何に重要であるかを強調する。
- 2005-02-16