放射線治療に伴う子宮けい癌のcell Kinetics : 特に落射型蛍光顕微測光法による核DNA変化の解析
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概要
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概要放射線による子官頚癌の核DNA変化についての研究は透過型分光測光法が従来用いられて来たが、本研究はより優れた測定法である落射型螢光顕微測光法を応用することによつてtumor cenkine画csをより明確に解明することを目的とした。子官頚部扁平上皮癌放射線治療例15例を対象とした。照射前、600rad、1,400rad、2,000rad、3,000rad照射の各時点でcolposcopy下に生検を行い、捺印細胞標本と組織標本を作製した。前者はpararosanimn-Feulgen染色後、MMSP-RFにて癌細胞核DNAを測定した、また、癌細胞を2C細胞(G_0+G_1)、4C細胞(G_2+M)、4Cを越えるものの3群に分け、各々の割合を算出してcenkineticsの解析を行い、併せて組織所見との比較検討を行つた。以下の結果を得た。1)落射型顕微測光においては癌細胞の同定が困難な場合があるが、今回Blue励起光(405nm)を併用することによつて細胞形態を観察し、より正確に対象細胞を確認することが可能となつた。今後、本法の併用は必須であると考えている。2)放射線照射に伴うcenkineticsについては放射線低抗例(n=3)、感受性良好例(n=12)共に1,400radまでは同様な変化を認めた。即ち、600radで4C細胞の増加(G2-Block)、1,400radでover4C細胞の増加(Endoreduphcation)及び工400radまでの2C細胞の漸減を認めた。3)感受性良好例は2,000rad、3,000radまで2C細胞が引き続き減少するのに対し、低抗例では逆に3,000radで高率(43-60%)になつた。その組織像では放射線変化の少ない癌細胞が多数残存していた。4)3,000rad時点の放射線低抗例に、治療前と同様な細胞が残存し、その大部分は2C細胞であることから、これらの細胞はnon-cychng cens(G。)である可能性が強く推察された。5)治療前における2C細胞の割合は感受性良好例の平均46%に対し、低抗例では65%であつた。放射線低抗性腫瘍を照射前にscreeningする指標のひとつとしてこの2Ccen populationの比率を参考にすることは臨床上有益であると考えられる。
- 1984-11-01
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