フルオロカーボン肺洗浄法によるRDS実験モデル
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概要
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新生児呼吸窮迫症候群(RDS)の動物実験モデルとして活用できるかどうかを検討するためにフルオロカーボン(FC43)による肺洗浄を成熟ラットを用い行つた. 洗浄法は注射器を用い手動による方法で合計40回以上(800ml/kg body weight)行つた. 洗浄後のフルオロカーボンはプールし燐脂質の測定を行つた. 洗浄後60分の時点で無作為に二群に分け, Study Groupには人エサーファクタント(120mg/kg body weight)を, Control Groupには同量の生理食塩水を気道内に注入し血液ガスの変化を注入後2時間追跡した. フルオロカーボンは酸素溶解能が高く酸素を体内に送りながら肺洗浄をすることができた. 肺胞から燐脂質がStudy Groupでは18.9±3.7mg/kg body weight, Control Groupでは16.6±3.6mg/kg body weight, 洗い出されていた. サーファクタント注入後Study Groupでは著明に血液ガス所見が改善されたのに対し, 生理食塩水を注入したControl Groupでは全く改善されなかった. 肺組織所見はStudy Groupでは肺胞は充分広がつていたのに対しControl Groupでは無気肺が著明であった. 以上より本実験モデルはRDS動物実験モデルとして有用であるのみならず肺洗浄法としても今後活用されるものと考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-09-01
著者
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