ヒト胎盤Calphobindin-IIの分離と精製および凝固学的性状について
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概要
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Calphobindin (CPB)は当教室の設楽により胎盤から分離精製された血液凝固抑制物質である. この蛋白質はカルシウムを介してリン脂質と結合する性質をもつ. この性質を利用して胎盤ホモジネートのEDTA分画からCPBを精製していたが, その精製の過程でわれわれは分子量の異なる新たなる類縁凝固抑制物質を見出した. この物質の精製ならびに凝固学的性状の解明について検討したところ, 以下の結果を得た. 1) 胎盤ホモジネートのEDTA分画からCPBの類縁凝固抑制物質を分離精製した. 2) 本物質はSDS-PAGEで単一のバンドを示し, その分子量は還元, 非還元いずれも約68,000であつた. 3) 内因系, 外因系いずれの凝固機転ともに抑制活性を認めた. 4) カルシウム再加時間を延長させたが, トロンビン時間には影響を与えなかつた. 5) 組織トロンボプラスチンによる第X因子活性化反応, 第Xa因子によるプロトロンビン活性化反応を抑制した. 6) 本物質はCPBと比較して,より強い凝固抑制活性を有していた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-10-01
著者
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