子宮頚癌放射線療法におけるPS-Kの併用効果
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概要
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子宮頚癌放射線療法症例にPS-Kを併用し,放射線治療効果におよぼす影響について検討した.対象の子宮頚癌患者90例をPS-K併用群30例,放射線単独療法群60例に分け,この両群間において照射効果を比較した.PS-Kは放射線照射開始から終了まで1日3gを連日内服投与した.外照射は,テレコバルト1日200rad,週5回の全骨盤照射を3,000rad以後センターブロックを使用して計5,000〜6,000radまで行い,小線源腔内照射は,テレコバルト3,000rad照射以降に行つた.組織学的照射効果の判定は,大星-下里分類と同時に腫瘍細胞密度の減少率を算出し,この両者を各々点数評価して,組織学的照射効果とした.更に腟拡大鏡写真による腫瘍面積の測定を行い,腫瘍全体の縮小効果を判定した.これら組織学的及び腫瘍縮小効果判定に基づき,その合計点による総合評価を行つた. 3,000rad照射時における総合評価において放射線単独療法群60例では良好19/60(31.7%),中等25/60(41.7%),不良16/60(26.7%)であつたが,PS-K併用群30例では良好18/30(60.0%),中等11/30(36.7%),不良1/30(3.3%)と有意に(p<0.01)良好な照射効果を認めた.次にPS-K併用群の照射効果を良好及び中等度以下の2群に分けて,照射効果と宿主免疫能の関連を検討した.末梢血リンバ球数・組織内のリンパ球浸潤および免疫皮内反応は,良好群と中等度以下の群のいずれにおいても,照射による抑制がみられたが,両群間で差異はみられなかつた.しかし,LMITでは,良好群で照射にともない陽性化する症例が増加する傾向を認めたが,中等度以下群では逆に陰性化の傾向を示した.すなわち,PS-K併用による放射線療法において,照射効果増強作用とリンパ球機能の保持または増強との間に何らかの関連がある事を示唆する結果を得た.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1985-09-01
著者
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