LIPID PEROXIDATION AND IT'S PROTECTIVE MECHANISM DURING DEVELOPMENTAL STAGE IN RAT

概要

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ラットについて過酸化脂質とその防御機構の発達について胎仔および新生仔早期を中心に検討した.その結果,胎仔は血液および組織(肝,肺)中の過酸化脂質は低く,superoxide dismutase,catalase,glutathione-peroxidase,ビタミンEのいずれも低い値を示した.このことは胎仔は子宮内にあつて母体や胎盤などから過酸化脂質の生成が少ないように保護されており free radical なども成獣に比べて少ないものと考えられる.出生後は肺呼吸の開始とともに代謝が活発になるにつれて free radical の生成も増え,過酸化脂質の生成,蓄積も多くなつてくる.それに伴つて過酸化脂質生成を防御する作用のある酵素である SOD,catalase,glutathione-peroxidase などの誘導がおこり,生体内における過酸化脂質の生成蓄積をおさえるようになる.今回の実験から新生仔早期の10〜15日間は新生仔にとつて胎外生活への適応期間であり,呼吸開始と酸素吸入による過酸化脂質の変動は興味深い.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1982-07-01