ヒト黄体に於けるSteroidogenesisに及ぼすHuman Chorionic Gonadotropin並びにdibutyryl cyclic AMPの影響
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概要
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外来性human chorionic gonadotropin (HCG)のヒト妊娠黄体に対するluteotropic作用を解明するため,ヒト月経黄体,妊娠黄体(妊娠6〜12週)のスライスを用い,short term incubation methodにて,adenosin-3',5'-monophosphate(cAMP) accumulation並びにestradiol(E_2),progesterone(P)合成に及ぼすHCG,dibutyryl cyclic AMP(d-cAMP)の作用を検討し以下の成績を得た.(1)HCGは月経黄体に対して黄体組織中のE_2,P,cAMP濃度を増加させるが,妊娠黄体ではこの作用は認められなかった.(2)d-cAMPは月経黄体・妊娠黄体に対し共に黄体組織中のE_2,P濃度を有意に増加させた.(3)高単位HCG点滴静注後の月経黄体に対しHCGは黄体組織中のE_2,P,cAMP濃度を増加させなかったがd-cAMPは黄体租繊中のE_2,P濃度を増加させた.以上の成績から外来性HCGは妊娠黄体のcAMP accmulation並びにsteroidogenesisに対して影響を与えないことが認められた.又細胞内cAMP系においては,月経黄体と妊娠黄体め間には差が認められなかった.従って切迫流産治療法としてのHCGの有効性については,再検討が必要と思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-07-01
著者
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