子宮頚部癌におけるFerritinの診断的意義
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概要
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婦人科領域悪性疾患中, 特に頻度の高い子宮頚部扇平上皮癌を中心として血中ferritin値を測定し, その診断的意義を検討した.また子宮頚癌愚老血中に出現するferritinのorigin検索の冒的で, in Vitro実験系を付け加えて以下の成績を得た.ferrition活性は第1ラジオアイソトープ研究所製スパつタフェリチンRIAキつトを用いて測定した.1)各種悪性および良性疾患における治療前の血中ferritin値は, 子宮頚部属平上皮癌, 卵巣癌, 急性肝炎および貧血において正常婦人よりも有意の高値を示した.子宮体部腺癌の血中ferritin値は, 全例正常範囲内であつた.2)子宮頚部扇平上皮癌中, 特に第W期および再発例で他のstageに比較して明らか次高値を示す例が多かつた.3)層平上皮癌組織および正常扇平上皮組織を72時間インキュベートした際の培養液中のferritin活性は, 前者において有意に高かつた.また馬平上皮癌組織抽出液の等電点電気泳動により腫瘍組織内における塩基性ferritinの存在が証明された.以上の成績より血中ferritin測定は, 子宮頚部癌の管理, とくに再発の早期発見には有用であると思われる.また子宮頚部癌患者血中ferritinの少なくとも一部分は, 腫瘍組織由来である可能性が強く示唆される.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-02-01
著者
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