新生児の下垂体-副腎皮質機能 : とくに遊離型Corticosteroidsの比率について
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概要
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分娩ストレスに対する胎児の適応は種々さまざまであるが, その内分泌学的役割の中心は胎児の下垂体・副腎系であるとされている.そこで負荷の加わつた胎児において, 内分泌面でどのような変化があるか検討してみた.すたわち, 著者は新生児血中のACTHおよびcorticosteroids(cds.)をストレスに対する指標と考え, 諾条件下の新生児膀帯静脈血でこれらを測定するとともに, 生物学的に活性が重視されている遊離型cds.(non-protein bound cds.=NPC)の比率も求めた.ACTHはradioirnmunoassay, cds.はcompetitive protein binding assay, NPCの比率(%free cds.)およびNPCは平衡透析法によつた.1.児にストレスが加わると考えられる吸引分娩群では, 自然およびオキシトシン誘導分娩群に比べACTHおよび%free cds.値は高い傾向を, total cds., NPC値は有意の高値を示した.2.自然および吸引の各分娩群でみた分娩時母体血中のACTH, total cds., %free cds., NPCの各値では両群で有意差は認められなかつた.3.児の状態と各測定値との関連をみると生後1分のアプガース:コア5〜7点であつた仮死群では8点以上の群にくらべ膀帯血中ACTH, total cds., %free cds., NPCの各値はいずれも有意の高値を示した.以上より胎児または新生児の下垂体・副腎系は, 分晩時にはこれに伴うストレスに応じ反応する結果をえた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-02-01
著者
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