高Prolactin性無排卵症の病態とそのBromocriptine療法に関する研究
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概要
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高Prolaction(PRL)血症101例の病態を検討し, そのうち無排卵症57例に対して行なつたBromocriptine(以下BCと略す)療法の臨床成績から以下の結論を得た.1.高PRL血症の93.1%が乳汁分泌を示したが, 乳汁分泌量と血中PRL億の間には欄関が認められなかつた.2.高PRL性無排卵症の血中gonadotropin値はPRL値との聞に相関が認められ次かつた.しかL血中PRLが高値を示すに従い血中Estradiolが低値をとる傾向にあり, 第二度無月経により高値のPRLの症例が多く存在した結果とも一致した.3.LH-RHテストの結果からは高pRL性無排卵症の推定される排卵障害部位は一様ではなかつた.また血中pRL値とLH-RHテストの結果の間には一定の傾向が見出量なかつた.4.BC療法(RC単独あるいはC1om三phene併用療法)により, 排卵45例, 妊娠31例, うち3例の流産が認められ, 15例が既に一分娩を終了した.5.BC療法はまず2.5mg/dayより投与開始し, その後の投与量は症例別に主に血中PRL値を指標として決定した.排卵までのBC単独投与日数は36.5±5.3日であり, 第二度無月経や血中PRLが高値たほど長期間を要した.6.BC単独を一カ月以上投与したものの一都にはClomipheneを併用して15例全例に排卵が誘発された.7.妊娠31例の妊娠経過申には下垂体腫大と思われる症状を呈したものはなかつた.8.15例の出生児には異常はたく, 発育状況は順調であつた.9.高PRL性無排卵痘の排卵誘発には、効果, 安全性の面でBC療法は最も有用と考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-02-01