子宮体癌のエコーパターンに関する研究
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概要
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子宮体癌の超音波イメージを解明すると同時にその診断学的意義と限界を明らかにすることを目的に, グレースケール表示装置導入以後当科で経験された子宮体癌59例の超音波断層像にretrospectiveな解析を加えた.さらに, その臨床進行期, 組織学的特徴等との関連性について検討し, 次の結果を得た.1)子宮体癌症例の内膜echo patternは, Type1:anechoic, Type2:linear, Type3:cystic, 及びType4:massiveの4型に分類できた.特にこれらのうちType3及びType4は本疾患を強く示唆するものと考えられた.2)それらの頻度は, それぞれType1 22.0%, Type2 11.9%, Type3 25.4%, 及びType4 40.7%であつた.即ち, 本疾患の66.1%に関しては比較的容易に, 又, 11.9%では注意深い観察により異常パターンが認識できる可能性が示唆された.3)特にType3, 4は, 臨床進行期I期に比べII〜IV期に有意に多くみられ, 21例中17例(81%)がType3+4であつた.4)echo pattern分類4型と肉眼的分類(発育様式)との間に有意の偏よりがみられた.特にType4ではcircumscribed formが79.2%を占め, 逆にcircumscribed formの81.3%はType3+4であつた.5)しかしたがら, 組織型, grade分類と各echo pattern型との間に関連は認められなかつた.6)症例中, 卵巣転移例2例及び婦人科合併症例18例が含まれていたが, 全例本法により早期に検出しえた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-12-01
著者
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