妊婦の鉄代謝と鉄欠乏性貧血に関する研究 : 血清鉄レベルからみた鉄投与量の理論的考察と治療成績について
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概要
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妊娠時の飲代謝における血清transferrin(Tr)の特性を基睡として,妊婦あ鉄欠乏性貧血り診断基準および静注用鉄剤による治療における投与量の基準を定める為に,動物実験と臨床実験を行い次の結果を得た.1)妊娠ラットに^59Fe標識高分子colloid鉄溶液chondroitinsulfate iron(CSA-Fe)を静注するとその直後には胎仔に移行しない.また女手娠の進行とともに鉄は母体赤血球よりも胎仔に利用される様になり,その場合胎仔へ移行する鉄はCSA-Feから遊離Lた母体血清鉄に由来した.2)非妊鉄欠乏,妊娠後半期におけるヒト,ラットTrはいずれもラット胎仔,胎盤および母体血,母体骨髄への鉄供給能に差がなく,ヒト,ラットの非妊鉄欠乏あるいは妊娠後半期Trそれぞれの間には差があった.3)非妊鉄欠乏と妊娠後半期のラットTrをラット網状球とincubateすると,両者のTrから網状球への^<59>Fe摂取率には差がなかった.4)臨床実験に於いて非妊鉄欠乏性貧血では鉄利用率(Y)は,血清鉄飽和率(X)と相関し,Y=-0.526X+45.7であり,妊娠後半期鉄欠乏性貧血でも相関があり,Y=-0.742X+39.8であった.5)非妊鉄欠乏性貧血においてDose (mg) =(A/-0.526X+45.7)×100,妊娠後半期鉄欠乏性貧血においてDose (mg) =(A/-0.742X+39.8)×100の公式に従いCSA-Feを臨床投与し,公式の有用性を確認した.ただし,A=3.4×〔目標とする血色素量(g/dl)-治療前の血色素量(g/dl)〕×全血液量(dl)である
- 1980-07-01
著者
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