Polyacrylamide Gradient Gel電気泳動分析による卵巣癌ならびに子宮頚癌患者血清乳酸脱水素酵素に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
婦人科悪性腫瘍患者血清の臨床検査においてLactic dehydrogenaseと(LDH)高値を示すと言われ,セルローズアセテート膜を支持体とし,ベロナール艦影緩衝液を用いた電気泳動分析では,Isozymeは正常人血清と比較し第4,第5分画の増加が認められるが,その増加と悪性化との間にはかならずしもそれほど密接な関係が認められたい事が多い.そこでPolyacrylamide Gradient Gel(4%〜30%)を支持体として電気泳動分析を,正常健康婦人,卵巣癌,子宮頚癌治療前群,治療群,経過不良群,治療後経過良好群について比較検討した.Gradient Gelによるパターンは基本的な9本の分画を認め,易動度の早い順に第I分画より第IV分画とした.第IV分画は正常例では幅の広い分画とたるが,癌例では20種の亜分画を認めた.そのうち共通な3本の基本的と思われる亜分画(C_<6A>,C_<6B>,C_<6C>)を認めた.第IV分画も同様に癌例では14種の亜分画を認め,この第IV,第VIII分画の亜分画は,腫瘍の悪性化に伴い特異的に増加する分画と考えられる.第I,第II,第III分画は,卵巣癌,子宮頚癌において増加を認め,治療後経過良好において減少し,百分率において正常例と近値の値となった.卵巣癌ではFIGO分類,第Ia期例(癌実質は鳩卵大)より治療前にすでに,第VI分画に易動度の早い順にC≶6A>とC≶6B>の間に易動度より9種の亜分画を認め,卵巣腫瘍の悪性化の診断に有意義である.子宮頚癌では,末期癌,再発癌に場合にC≶6A>とC≶6B>の間に易動度より11種の亜分画を認め,再発時の早期発見荷役だつものと思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1980-02-01
著者
関連論文
- 141. D.N.C.B. による産婦人科悪性腫瘍の遷延免疫反応
- 24. 卵巣癌の悪性化を判定のためのLDHアイソザイムのグラデイエントゲル電気泳動法による分析の診断的価値
- Polyacrylamide Gradient Gel電気泳動分析による卵巣癌ならびに子宮頚癌患者血清乳酸脱水素酵素に関する研究