Human menopausal gonadotropin による赤毛猿の卵胞発育とestrogen分泌
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概要
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自然排卵周期と同様にHMG治療の際も間接的な卵胞成熟状態判定の指標としてestrogen測定法は広く利用されているが必ずしも良好な結果が得られていない.HMG投与下でestrogen値が卵胞の発育状態などの程度相関性あるかを解明すべく人問に近似した赤毛猿を使用し実験を行った、1日75IUのHMGを連日投与し血中estradiol値が140pg/ml以上になった後開腹手術を行い卵胞の発育状態を検索した.この時期は自然排卵周期では排卵期またはそれに近い時期に相当し肉眼で明らかな卵胞が認められるはずである.しかるに,9匹の赤毛猿のうち2匹に成熟卵胞を認めたのみでestrogenと卵胞発育との関係につき思わしくない結果を得た.強力な卵胞発育作用のあるHMGは多数の卵胞を発育促進しregressionを障害することが知られている.HMGにより肉眼で明らかでない多数の未熟卵胞が発育しその結果各々の分泌量は少ないが総計すると高いestradiol値が示されたであろうことが考察された.卵胞発育の指標としてestrogen値は広く利用されているが,HMG投与時と自然排卵時とでは卵胞群の発育過程に少々相違があるようでありestrogen値の取扱いについて人工排卵の場合は自然排卵周期時と少々異なった評価利用法の必要が痛感された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1979-09-01
著者
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