超音波断層法による胎嚢の計測と切迫流産の予後判定について
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概要
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超音波断層装置を使用して,妊娠6週〜12週の正常(167例),切迫流産(291例)につき胎嚢の縦径a,前後径b、横径cを計測し,さらに絨毛附着部位,鮮明-不鮮明につき検討した.この3径線のうち最長のものを長径,最短のものを短径,1/2(長径十短径)を中間径,面接1/4abπ,体積1/6abcπとした.1)正常例では(1)初産と経産との間には差はなかった.(2)妊娠週数との相関は縦径r_1=O.71O,前後径r_2=0,446,横径r_3=0,660,長径r_4=0,735、短径r_5=0,578,中間径r_6=O.738で何れも(p<O.001)であった.(3)面積の相関係数および回帰式はr_7=0,721,Y_7=2.19W(週数)-9.30,体積r_8=0,758,Y_8=9.64W-56.92,二次式Y'_8=1.55W^2-18.26W+62.41であった.2)切迫流産妊娠継続(切迫継続)例の縦径,前後径,横径,長径,短径の平均値は正常例のそれより小さかったが有意差はなかった.中間径は6週7週8週10週,面積は7週10週,体積は8週10週11週12週の各週が正常例より小さかった.最初に正常例棄却限界下限値より下にあった例も2週間以内にはそれより上になった.3)切迫流産(流産)例の各径腺及び面積,体積の平均値は正常妊娠,切迫継続例の平均値より小さかった.継続して観察した例で初め正常例棄却限界下限で4分画しχ^2Testによって検討した.χ^2値は中間径が最も大きかった.5)正常例,切迫継続例は妊娠が進むにしたがい縦径,横径ののびが良く,前後径が余り伸びない前後につぶれた楕円形を示した.6)切迫流産絨毛付着部位別の予後では高位付着が流産しやすく,前置絨毛は継続する例が多かった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1979-10-01
著者
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