新生児期の適応過程に及ぼすCatecholamineの意義 : Catecholamine枯渇および低酸素性負荷による糖代謝系の酵素学的検討
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概要
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新生児適応過程におけるCatechglamine(CA)の意義を検討するため,reserpineを投与して,CAを枯渇したマウス新生仔の発育状態を観察し,また脳および肝ホモジネートの上清を使用して糖代謝系の律速酵素を測定した.さらに低酸素性負荷に対するCAの発動を肝phosphorylase a活性値から検討して,次の結果を得た.1)新生好発育に及ぼすreserpineの影響対照群の平均体重はほぼ直線的に増加して,生後10日目は1日目の約4.3倍となったのに対して,CA枯渇群はゆるやかに増加を示したが7日目以降はほとんど増加がみられず,10日目は1日目の約1.5倍程度であった.2) 糖代謝系の律速酵素活性に及ぼすreserpineの影響生後10日目新生仔脳ではHKおよびPKがCA枯渇群で有意に低下し,glycogenolysisの抑制が考えられた.しかし,G6PDH,PK,PEPCKおよびUDPG-PPは両群に差はなかった.3)低酸素性負荷に対するCA枯渇の肝phosphorylase aに及ぼす影響対照群に低酸素を負荷すると肝phosphorylase aが有意に上昇したのに対し,CA枯渇群では低酸素を負荷しても上昇しなかった.以上CA枯渇時,新生仔発育障害がみられたこと,脳のglycolysisの抑制および肝のglycogenolysisの抑制がみられたこと,さらに低酸素性負荷に対する肝phosphorylase aの反応性がみられなかったことにより,新生児適応課程及び防禦反応機構におけるCAの意義が示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1979-01-01
著者
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