超音波による胎児成育度判定法に関する研究
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概要
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胎児の成長度ないしは, 成熟度を知ることが周産期における胎児管理の上から極めて重要であることはいうまでもなく, 従来, 触診とX線撮影以外によい方法がなかつた.胎児の直接的観察法の進歩が望まれる所以である.今回新らしい生体映像法である超音波診断法により, 児頭大横径を計測し, 胎児成育度判定への応用を試みた.基礎的検討として, 超音波胎児頭計測法についてはその精度に関するいくつかの重要な因子があり, 著者はそのうち児頭の音速の決定および計測実施法の2点について検討を加えた.音速については新生児を材料とし, 児頭全体として1480m/secであつた.また計測実施法はAモード単独法, Aモード法と接触コンパウンド走査法の両名併用法との比較を行なつた結果, キャリパー実測値との差では, 明らかに後者すなわち併局法が精度の高い計測法であることが知られた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1973-09-01