実験的子宮頚癌の発生過程における細胞増殖動態に関する研究
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概要
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20-MC 糸挿入による実験的子宮頚癌発生過程の細胞増殖動態を^3H-thymidine autoradiograph によつて検討したところ, labeling index は上皮の悪性に伴つて高値となり, labeled cell の局在は early invasive carcinoma (EIC) や frank invasive carcinoma (FIC) の間質侵入部位や癌巣辺縁部に多い. 次に double labeling method 及び mitotic chase method により各上皮病変群の cell cycle について検討を加えたところ normal epithelium (NE), anaplastic epithelium (AE), FIC 3群の cell cycletime はそれぞれ22.4±2時間, 22.3±2時間, 20.4±2時間となり, ほとんど差を認めなかつたが悪性化に伴つてS期が著明に延長した. Growth Fraction については NE31.4%, AE56.5%, FIC92.1%で漸次悪性度が高まると高率となり, FICは97.2%と推定され最も高率に増殖細胞集団で占められることが示唆された. したがつて発癌過程を細胞増殖動態からみると Growth Fraction の著しい増加として認識された. また悪性化に伴つてS期が著明に延長するがG_1期が短縮する結果, cell cycletime それ自身の変動はあまりないと理解された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1973-03-01
著者
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