子宮頚部上皮内癌及び微小浸潤癌の臨床病理学的研究
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概要
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円錐切除診て上皮内癌とされた26例, 及び微小浸潤癌157例について臨床病理学的検討を加え, 次の如き結果が得られた. 1 円切診て上皮内癌とされた症例について a) 23.8%に連切診て微小浸潤を認めた. b) 病巣の現状の広がりが半周以下で細胞診がIII型以下ならば, 連切診でも浸潤を認めなかった. 病巣の環状の広がりが全周性で細胞診がV型のときは, 全例に浸潤を認めた. c) 間質に小円形細胞浸潤が高度にあるときは66%に, 又 mesenchymolyse が高度にあるときは80%に連切診で浸潤を認めた. d) grade 1 から grade 3 に分類し, grade 1 のときは, その治療は子宮頚部の円錐切除のみで follow up するのが良いと考えられる. 2 浸潤の深さが5mm以下の微小浸潤癌であった症例について a) 157例中5例にリンパ節転移があり, 3.2%の転移率であった. 転移リンパ節は閉鎖節が最も多かった. b) 転移例の原発巣の組織型は, C型1例, P型3例, L型1例であった. 浸潤の深さは3例が約1mmの微小な浸潤であった. c) 微小浸潤癌であっても組織型が, P型, L型のときは, 子宮癌根治手術を行なうのが慎重な治療法と考える.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1972-07-01
著者
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