胎仔肝チミジンキナーゼに関する研究
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概要
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胎生組織の非常に迅速な細胞分率は, DNA合成によって支えられている.チミジンキナーゼ(TK)はデオキシチミジン(Tdr)をリン酸化してdTMPとする酵素で, DNA合成の律速因子の一つでもある.著者は産科医の立場から胎生肝に着目し, そこからTKを分離・精製して二分画を得, 酵素学的諸性質を比較・検討して, 次の如き結果を得た.(1)家兎胎仔肝および入胎児肝の粗TKの活性は非常に高く, 大腸菌・再生肝・種々の腫瘍細胞などから得たTK活性に匹敵していた.(2)胎仔肝TKをDEAEセルロースカラムで処理して, 確実に二つの分画こ分離し得た.多量の材料から出発したこと, カラム溶出後の濃縮などがその特徴としてあげられる.(3)胎仔肝TKの二分画の酵素学的諸性質を検討した.KmはTK_1が4.5×10^<-5>M, TK_2が3.3×10^<-5>Mで両者の値は著しく異っていた.熱抵抗性はTK_1の方がやや強かつた.また, ヌクレオチド添加の影響についても, いくつかの相違をみい出した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1972-12-01
著者
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